主張を伝える 歴史

建物が残らない飛鳥の遺跡は、世界遺産にふさわしいか?

このお題の背景

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2026年7月26日、「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産に登録されました。日本では27件目、地元が推薦を目指してから20年越しの登録です。

対象になったのは、奈良県の橿原市、桜井市、明日香村に点在する19の資産です。6世紀から8世紀にかけて、この地に日本で最初の本格的な都が置かれました。中国大陸や朝鮮半島との交流、仏教の伝来、中央集権の国家がかたちづくられていく過程が評価されての登録です。

しかし、現地を訪れた人が目にするのは、多くの場合、田園風景です。宮殿の跡は発掘調査のあとに埋め戻され、地面の下に眠っています。これは手抜きではありません。遺構を露出させたままにすると風雨で傷むため、埋め戻して保存するのは国際的にも認められた正しい方法です。つまり、価値のあるものは確かにそこにあるけれど、見えない。

姫路城や法隆寺のように、建物がそびえ立つ世界遺産とは対照的です。写真映えする一枚を撮って帰る、という楽しみ方は成立しにくい場所です。

地元の自治体は、当時の風景をCGで再現し、スマートフォンをかざすと360度見渡せるARアプリを用意しました。音声と字幕で、宮殿がどう築かれたかを解説する内容も収録されています。見えないものを見えるようにする試みです。

この工夫でどこまで伝わるかは、これから試されます。ただ、CGで再現された宮殿を見ることが、遺跡を見たことになるのかは別の問題です。再現はあくまで研究者の解釈で、研究が進めば形も変わります。

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リプレンの採点結果画面。100点満点の点数と、観点ごとの内訳が並んでいる

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