主張を伝える 心理

SNSを使うほど孤独になるというのは本当か?

課題文

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SNSと孤独の関係については、長らくひとつの「答え」が共有されてきた。ただ眺めるだけの受け身の使い方は孤独を深めるが、投稿したり交流したりする積極的な使い方なら、つながりを育み、孤独を和らげる。だから「SNSに疲れたら、見る側から参加する側に回ればよい」と助言されてきたのである。

ところが近年、この通説を揺るがす研究が相次いでいる。ある研究チームは、同じ人たちを9年間にわたって追いかけ、SNSの使い方と孤独感の変化を調べた。その結果、受け身の利用はもちろん、積極的な利用もまた、孤独感の増加と結びついていた。また、6万5千人を対象とした別の大規模調査では、SNSの利用時間が週16時間、つまり1日2時間あまりを超えるあたりから、孤独を感じるリスクが高まる傾向が示された。投稿し、返信し、活発に交流している人であっても、例外ではなかったのである。

なぜ、つながっているのに孤独なのか。研究者たちはいくつかの説明を挙げている。画面の中の交流が、顔を合わせて過ごす時間を少しずつ置き換えてしまうこと。他人の充実した投稿と自分の日常をつい見比べてしまうこと。「いいね」のような手軽な反応は数秒で受け取れるが、自分を深く理解してもらえたという実感の代わりにはならないこと。交流しているつもりでも、心の栄養になる濃さが足りていないのではないか、という見方である。

ただし、SNSが常に人を孤独にすると言い切れるわけではない。遠くに住む友人や家族との関係を保つ目的で使う人では、孤独感がむしろ減るという報告もある。道具の性質がすべてを決めるのか、それとも使う目的と量が決めるのか。研究者の間でも、結論はまだ割れている。

確かなことがひとつあるとすれば、「積極的に使えば大丈夫」という単純な処方箋が、もはや信用できなくなったことだ。SNSとともに育った世代こそ、この問いの当事者である。

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