お題を考えるための前提情報です
作家の小川哲さんが2026年7月、「『理解できない』を楽しむ」というエッセイを発表し、ネットで静かに話題を集めました。
取り上げられているのは、ナイジェリアの作家チュツオーラの小説「やし酒飲み」です。10歳の頃からやし酒ばかり飲んでいる主人公が、死んでしまった専属のやし酒作り名人を探しに行くという、常識の通じない展開が続く物語です。小川さんは、こうした作品を前にしたとき、わからないからと本を閉じるのではなく、立ち止まって想像力を働かせることにこそ読書の楽しみがあると書きます。理解できなすぎて、思わず笑ってしまうことさえあるのだと。わからないものを、わからないまま面白がる。そんな読み方があることに、はっとした人が多かったのでしょう。
動画は倍速で見る、本は要約で済ませる、答えはすぐに検索する。コスパやタイパが重視される今、「わからないもの」に時間をかけることは、どんどん贅沢になっています。私たちは、効率よく「わかる」ことばかりが上手になっていく毎日を送っています。それでも、わからないのになぜか気になって、離れられないものが人にはあります。歌詞の意味がつかめないのに繰り返し聴いてしまう曲。何を描いているのかわからないのに、足を止めて見入ってしまう絵。考えていることが読めないのに、つい目で追ってしまう人。
あなたが「わからないのに惹かれる」ものは何ですか。なぜ惹かれるのか、わからないなりに言葉にしてみてください。
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