この文章を読んでから、自分の意見を書きます
2026年度の全国学力テストで、気になる数字が出ました。小学6年の国語で、本から引用して自分の考えを書く問題の正答率は33.6%でした。中学3年の英語では、聞いた意見に自分の考えと理由を話す設問が25.8%、読んだ意見に考えと理由を書く設問が28.4%にとどまりました。書く設問では、考えは書けたのに理由を書けなかった答案が4割を超えています。文部科学省と国立教育政策研究所は、考えと根拠を区別して表現することを意識させる指導が重要だと指摘しました。
私は、国語の授業は読解に偏った時間配分を改め、「理由をつけて自分の考えを書く」練習を増やすべきだと考えます。
第一に、読む力そのものは弱くありません。PISA2022で、日本の15歳の読解力は516点でOECD加盟国中2位でした。学力テストの小学6年国語でも、「読むこと」の正答率66.1%に対し、「書くこと」は45.8%です。読めるのに、読んだことを根拠に考えを組み立てる段階でつまずいています。第二に、社会で求められるのは要約ではなく、根拠を示して主張することです。会議でも営業でも、「なぜそう言えるのか」を書けなければ通りません。
読解は書く力の土台で、読めない人は書けない、という反論はもっともです。それでも、読むだけで書けるようにはなりません。むしろ自分で書こうとして初めて、筆者がどこに根拠を置いているかを読み取る目が育ちます。授業時間と採点の負担を心配する声も分かります。ただ、最初から長い作文は要りません。「私は〜と考える。なぜなら〜」の2文から始め、生徒どうしの相互評価やAIの下読みを使えば、教師の負担は減らせます。無解答が多いのは意欲の問題だ、という声もあります。英語の話す設問では17.0%が無解答でした。けれど、書いた経験が少ない人ほど、書くことを怖がります。意欲は、書いて返事をもらう経験の中で育ちます。
読解の授業をなくせと言いたいのではありません。読んだ内容を根拠にして自分の考えを書くところまでを、国語の授業の当たり前にしたいのです。理由を言える人を育てる。それは他のどの教科より、国語が引き受けるべき仕事だと考えます。
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