主張を伝える 学習

高校を出たら大学へ、という当たり前は見直すべきか?

課題文

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高校3年生の教室では、進路の話はたいてい「どの大学を受けるか」から始まる。
大学に行くかどうかを、立ち止まって考える機会はほとんどない。
しかし、高校を出たら大学に行くのが当たり前という考えは、そろそろ見直すべきだ。

文部科学省の学校基本統計によると、2025年3月に高校などを卒業した人のうち、大学の学部に進んだ人は58.3%だった。
10年前の48.0%から大きく伸び、卒業してすぐ就職した人は13.8%と過去最低になっている。
進学する人が増えるほど、ほかの道は視野に入りにくくなる。

だが、大学を出なければ稼げないという前提は揺らいでいる。
建設や電気工事、運転の仕事は人手不足が続き、高卒で年収1000万円を超える技能者の例も報じられるようになった。
進学には費用もかかる。
日本学生支援機構によると、大学生が借りる奨学金の平均の総額は、無利子の第一種で208万円、利子の付く第二種で336万円で、返し終えるまでに平均14年から17年かかる。
目的が定まらないまま進学し、この返済を背負うのは軽くない。

もちろん、大学で得られるものは大きい。
専門の外の授業で視野が広がり、育った土地も考え方も違う人と出会える。
収入の差もある。
労働政策研究・研修機構の推計では、卒業後60歳まで正社員を続けた男性の生涯賃金は、高校卒が2億2千万円、大学卒が2億6千万円だ。

ただ、教養も出会いも、学びたいことを持って入学してこそ生きる。
賃金の差にしても、同じ推計で大学卒どうしを比べると、勤め先の企業規模による開きは9千万円程度と、学歴による差より大きい。
問題は、18歳で入らなければ大学には二度と行けないかのような空気にある。
2024年に大学の学部(通学)へ入学した人のうち、25歳以上はわずか0.5%だった。
働いてから学びたいことが見つかり、そこで大学へ行く道が当たり前になれば、とりあえずの進学は減るだろう。

大学は、高校を出た全員がそのまま進む場所ではない。
いくつもある道の中から、時期も含めて自分で選ぶ場所であるべきだ。

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