主張を伝える 子育て

子どもの成績の差は、本人の努力で埋められるか?

課題文

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成績が振るわない子どもに、大人はよく「やればできる」と声をかける。
その励ましは間違いではない。
だが、成績の差を本人の努力だけで埋めさせようとするのは無理がある。
差を縮めるには、家庭と学校の手当てが欠かせない。

東北大学の細田千尋准教授らは、宮城県と東京都の二つの自治体で、小学4年生から中学3年生までの約1万7千人を3〜4年追跡した。
毎年の学力調査の点数を、同じ学年の中での位置を示す偏差値に直して比べたところ、位置はほとんど動かなかった。
詳しく分析した宮城県の約1万2600人では、最初の年と4年目の偏差値の差が10以内に収まった子が約9割にのぼる。
10を超えて上がった子は約4%にとどまった。
上がった子には、勉強時間が増えた、塾に通い始めた、将来の具体的な目標ができた、といった変化が同時に見られた。
高い位置を保った子には、朝食をとる、図書館を使う、家族から励まされる、といった特徴があった。
どれも、子どもの心がけだけで手に入るものではない。

家庭の豊かさの影響は、さらにはっきりしている。
2013年度の全国学力調査を分析したお茶の水女子大学の研究によれば、親の収入と学歴を合わせた指標が最も低い層の小学6年生は、平日に3時間以上勉強しても、国語の平均正答率が、最も高い層でまったく勉強しない子に届かなかった。

もちろん、努力に意味がないわけではない。
同じ研究は、どの層でも勉強時間が長い子ほど、宿題をする子ほど成績が高いことも示している。
東北大の研究でも、位置を大きく上げた子は確かにいた。
ただ、それは努力が実る条件を大人が整える理由にこそなる。
お茶の水女子大の研究は、家庭の背景から予想されるより高い成果を上げている学校が、家庭学習の指導や少人数での指導に力を入れていたことも報告している。
塾に通えない子には学校が学ぶ場を用意し、目標を描けない子には働く大人の話を聞く機会をつくることもできる。

子どもに努力を求めるなら、その努力が届くところまで、家庭と学校が道をならしておくべきである。

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