主張を伝える 心理

子どもは、大人より創造的だと言えるか?

課題文

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子どもは大人より創造的だ、という見方は根強い。
子どもの絵の大胆さに驚き、人は大人になるにつれて自由な発想を失っていくのだと嘆く声もよく聞く。
だが、子どもが大人より創造的だとは言えない。
両者を分けているのは創造性そのものではなく、思いついたことを外に出す自信である。

オーストリアのグラーツ大学などの研究チームは、平均5歳半の未就学児92人と、平均25歳の大人70人に同じ課題を出した。
空き缶の使い道をできるだけ挙げる、空想の動物を描く、好きな絵を自由に描く、の三つである。
作品は、誰が作ったものかを知らされない5人の評価者が採点した。
空き缶の使い道と空想の動物では、目新しさでも創造性でも大人の評価が上回った。
自由な絵でも、目新しさに差はなかったが、創造性は大人のほうが高く評価された。
子どもが勝っていたのは、課題を楽しむ気持ちや、自分はうまくできるという自信のほうだった。
それでいて、参加した大人の78.6%は、子どものほうが創造的だと考えていた。

もちろん、子どもの柔らかさを示す研究もある。
米カリフォルニア大学バークレー校のゴプニック教授らがまとめた実験では、積み木を二つ同時に載せると光る、という珍しい仕組みを示す手がかりを見せると、4歳児の9割以上がその仕組みに沿って答えたのに、大人は25%にとどまった。
学校に通ううちに発想がしぼんでいく、という話も広く信じられている。
とはいえ、珍しい考えを受け入れやすいことと、新しくて役に立つものを生み出すことは同じではない。
学年による変化についても、小学1年から高校3年に当たる学年を調べた41の研究をまとめた分析では、一つの問いにいくつもの答えを出す力は、全体として学年とともに伸びていた。

大人に欠けているのは、発想する力ではない。
研究チームのベネデック教授は、大人は自分の考えが人にどう評価されるかを気にするため、発想の流れが妨げられるのではないかと述べている。
子どもが創造的に見えるのは、思いついたことを恐れずに次々と口にするからだ。
大人が取り戻すべきなのは、評価を恐れずに案を出す気持ちのほうである。

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リプレンの採点結果画面。100点満点の点数と、観点ごとの内訳が並んでいる

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