主張を伝える 環境

植林に頼る温暖化対策は見直すべきか?

課題文

この文章を読んでから、自分の意見を書きます

飛行機に乗るとき、排出したCO2の分だけ植林に寄付できるサービスがある。企業の広告にも、「植樹で排出を相殺しています」という言葉が並ぶ。排出した分を、木に吸収してもらって帳消しにする。「カーボンオフセット」と呼ばれるこの考え方は、温暖化対策の定番になってきた。

だが近年、この前提を揺るがす研究が報告されている。森林が長期にわたって吸収できる炭素の量は、これまでの気候モデルで過大に見積もられていた可能性があるというのだ。木は成長するにつれて吸収のペースが落ちる。そして山火事や干ばつが起きれば、長い年月をかけて蓄えた炭素を、一気に大気へ戻してしまう。何十年もかけて吸収するはずだった計算が、一度の山火事で崩れるのだ。

もっと根の深い問題は、オフセットが「免罪符」として働くことにある。植林に少しのお金を払えば排出が帳消しになるなら、排出そのものを減らすという痛みをともなう努力は、後回しにされやすい。中世の教会が売った免罪符が人々の悔い改めを不要にしたように、手軽な相殺は、いちばん重要な行動を先送りさせる。

もちろん、森を育てること自体に価値がないわけではない。生き物のすみか、水源の保全、災害の防止。森の恵みは、炭素の吸収だけではない。問われているのは、私たちが植林を「排出を続けるための言い訳」に使っていないか、である。

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